朝日日本歴史人物事典 「酒井忠利」の解説
酒井忠利
生年:永禄2(1559)
江戸幕府初期の重臣。三河松平氏の家老,正親の次男。兄重忠と共に若年より徳川家康に仕え,天正18(1590)年関東入国時に武蔵国川越領で采地3000石を与えられる。慶長6(1601)年駿河田中城主(加増7000石)。同14年家康から,将軍出陣時の「江戸の常留守たるべきもの」と指名され,田中から川越城に移る(加増1万石。のちにも加増され,計3万7000石余)。慶長末年から元和初年にかけ,年寄衆に加わって諸政に参画。大坂の両陣(1614~15)では江戸留守居の役を勤め,戦後もその役目である人質(証人)の管理や,女人通行手形の発行などをつかさどった。元和2(1616)年~9年には,世子家光付老臣としても活動した。<参考文献>松尾美恵子「江戸幕府職制の成立過程―初期留守居の補任者と職務内容の検討―」(児玉幸多先生古稀記念会編『幕府制度史の研究』)
(松尾美恵子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報