ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノイツ」の意味・わかりやすい解説
ノイツ
Nuyts, Pieter
[没]1655
オランダ東インド会社の台湾長官 (在任 1627~29) 。 1627年東インド総督府員外参事としてバタビアに着任,次いで台湾長官に任じられて台湾安平 (タイオワン) にあったゼーランディア城に入り,この年8月,台湾貿易についての日蘭紛争解決交渉のため来日,江戸におもむいたが,将軍の謁見を許されず帰任。翌 28年,武装してタイオワンに来た浜田弥兵衛をいったんは捕えたが,おどされて和解。このため江戸幕府は,オランダの対日貿易を禁止し,弥兵衛とともに日本に来た人質とオランダ船員を抑留した。これが浜田弥兵衛事件である。ノイツは事件の責任者として,人質解放のために日本に来て,平戸に監禁された。商館長 N.クーケバッケルの尽力で,36年解放されてバタビアに帰り,本国に送還された。
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