化学式UO2(CH3COO)2。通常知られているのは2水和物UO2(CH3COO)2・2H2Oであるが,ほかには無水和物および3水和物も知られている。いずれも黄色の結晶。2水和物は斜方晶系板状あるいは柱状晶,比重2.89(15℃)。蛍光を発し,結晶を摩砕すると摩擦ルミネセンスを示す。水に可溶,溶解度7.73g/100g(17℃)。エチルアルコールにも溶ける。エーテルには不溶。熱すると空気中では60℃までは安定であるが,それ以上では分解を始め,110℃で水を失い,無水和物となる。ただし熱しただけでは純粋な無水和物は得られない。275℃で酸化ウラン(Ⅵ)UO3となる。純粋な酢酸ウラニルは,2水和物を氷酢酸と無水酢酸の1:1混合液に溶かし,乾燥した窒素を流しながら還流加熱し,冷却すると結晶として得られる。無水和物は蛍光を発しない。α,β,γ,δ,εの5変態が知られている。ウラン6価の代表的な試薬の一つである。
執筆者:中原 勝儼
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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