酸っぱい(読み)スッパイ

デジタル大辞泉 「酸っぱい」の意味・読み・例文・類語

すっぱ・い【酸っぱい】

[形]酸味がある。口をつぼめたくなるような味だ。すい。「―・い夏ミカン」「口を―・くして言う(=くどいほど何度も言う)」
[派生]すっぱさ[名]すっぱがる[動ラ五]
[類語]酸い甘酸っぱい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「酸っぱい」の意味・読み・例文・類語

すっぱ・い【酸】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
  2. 酸味がある。すい。
    1. [初出の実例]「アア口がすっぱくなった」(出典:滑稽本・和合人(1823‐44)二)
    2. [その他の文献]〔和英語林集成(再版)(1872)〕
    3. 「固い皮は古びた匂ひで少し酸っぱかった」(出典:雪国(1935‐47)〈川端康成〉)
  3. ( 本来酸味のない食物が酸味を持つようになるのは、古くなって腐るからであるところから ) 盛んな時期を過ぎる。終わりに近い。
    1. [初出の実例]「苦く、ゑんごく、すっぱく〈略〉稀有な声だぞ」(出典:滑稽本・人間万事虚誕計‐後(1833))
    2. 「コケ脅しに使ふのですから、役者は酸っぱくてもいいので」(出典:耳を掻きつつ(1934)〈長谷川伸〉巷の舌)
  4. 景気が悪い、調子が悪い、都合が悪いなどの意の俗語
    1. [初出の実例]「己アお前と違って太平楽が好物だから痛く景気が好ささうだが、此四五日続いて酸(す)っペエんだから」(出典:老車夫(1898)〈内田魯庵〉)
  5. ( 多く、「(口が)すっぱくなる」「(口を)すっぱくする」の形で ) いやになるほど同じことを繰り返していうさま。
    1. [初出の実例]「竹部が〈略〉すっぱくいった植桜の鉄則である」(出典:桜守(1969)〈水上勉〉)

酸っぱいの補助注記

「しょっぱい」が「しお‐はゆい」の転とみられるように、「すっぱい」も「す‐はゆい」からと考えられるが、文献上「すはゆし」「すはゆい」の実例は見あたらない。

酸っぱいの派生語

すっぱ‐が・る
  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙

酸っぱいの派生語

すっぱ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

酸っぱいの派生語

すっぱ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

酸っぱいの派生語

すっぱ‐み
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

配属ガチャ

入社後に配属される勤務地や部署が運次第で当たり外れがあるという状況を、開けてみなければ中身が分からないカプセル玩具やソーシャルゲームで課金アイテムを購入する際のくじに例えた言葉。企業のネガティブな制...

配属ガチャの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android