最新 地学事典 「酸素同位体法」の解説
さんそどういたいほう
酸素同位体法
oxygen-isotope method
酸素の安定同位体比18O/16Oを用いて,海水温や変成作用の温度,マグマの分別作用を研究する方法。H.C.Urey et al.(1951)は,生物が海水の成分を摂取して成長する過程で酸素同位体の分化が起こらないことを利用し,貝殻のCaCO3の酸素同位体比から生息時の水温を推定した。この方法を応用して深海底の柱状試料から氷期の水温測定が試みられている。また,変成岩の共存鉱物間のδの違いは温度のみの関数と考えられるので,変成温度を知ることができる。火成岩の鉱物の18O/16Oはそれぞれほぼ一定値を示すので,火成岩のそれは鉱物の量比を反映するが,例えば分別結晶作用では,この一般性から著しく外れることがわかっている。参考文献:S.Samuel et al.(1967) in P.H.Abelson(ed.), Researches in Geochemistry, Vol.2
執筆者:藤井 昭二・松久 幸敬
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

