重クロム酸カリウム(読み)ジュウクロムサンカリウム(その他表記)potassium bichromate

日本大百科全書(ニッポニカ) 「重クロム酸カリウム」の意味・わかりやすい解説

重クロム酸カリウム
じゅうくろむさんかりうむ
potassium bichromate

重クロム酸のカリウム塩。正式名称は二クロム酸カリウムpotassium dichromateという。

 クロム鉱を焼き、粉砕してから酸化カルシウム炭酸カリウムを加えて強熱し、さらに空気酸化したのち、硫酸を加えて結晶化させる。橙赤(とうせき)色板状結晶で、水溶液からの再結晶で容易に精製できる。エタノールエチルアルコール)には溶けない。水溶液を塩基性にすると橙赤色の二クロム酸イオンは黄色のクロム酸イオンになる。

Cr2O72-+2OH-2CrO42-+H2O
強力な酸化剤であり、酸化還元滴定用の分析試薬に用いられるほか、他の二クロム酸塩・クロム酸塩の合成原料、爆発物の製造、媒染剤有機合成クロムめっき、写真印刷その他の広い用途がある。

[岩本振武]


重クロム酸カリウム(データノート)
じゅうくろむさんかりうむでーたのーと

重クロム酸カリウム
  K2Cr2O7
 式量   294.2
 融点   398℃
 沸点   ―
 比重   2.69
 結晶系  三斜
 溶解度  4.6g/100g(水0℃)
      94.1g/100g(水100℃)
 転位温度 242℃ →単斜
 分解温度 500℃

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「重クロム酸カリウム」の意味・わかりやすい解説

重クロム酸カリウム
じゅうクロムさんカリウム

「二クロム酸カリウム」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の重クロム酸カリウムの言及

【二クロム酸】より


[二クロム酸カリウム]
 化学式K2Cr2O7。俗称重クロム酸カリウム。クロム酸カリウムに硫酸を加えるか,二クロム酸ナトリウムと塩化カリウムとの複分解によってもつくられる。…

※「重クロム酸カリウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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