重井村(読み)しげいむら

日本歴史地名大系 「重井村」の解説

重井村
しげいむら

[現在地名]因島市重井町

因島の北西部に位置し、西対岸は佐木さぎ(現三原市)、東南は中庄なかのしよう村に接し、北西海上に浮ぶほそ島・小細こぼそ島も村域内に含まれる。村内には縄文期や古墳時代の遺跡があり、開発は早い。青木あおきからは縄文期土器破片上坂かみざこからは石匙、細島でも縄文晩期の土器が出土、細島には小型箱式石棺が一基、小細島には二基があって地上に露出し、小細島二号墳からは鉄剣が出土した。

地名は建治二年(一二七六)八月日付の備後国御調郡内諸庄園領家地頭注文(教王護国寺文書)に、宣陽門院領重井浦としてみえる。因島全島を荘域とする因島庄は後白河院によって集積された長講堂領であったから、おそらくその一部として宣陽門院に伝領されたと推定される。同注文によると浦は二反一二〇歩と狭小、ほかに浦得分があり、この時期には北条氏得宗領とされ、左近大夫将監入道正円の名がみえ、地頭は「御家人左衛門尉秀氏伝領也」となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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