重富名(読み)しげとみみよう

日本歴史地名大系 「重富名」の解説

重富名
しげとみみよう

中世の曾於そお(曾野)郡などにあった名。重久しげひさ名などと同じく税所氏の所領で、「重」は税所氏の仮名の通字である。曾於郡重富名内には迫田大坪・白土・青木・竪義田(正応四年一一月日「台明寺寺田注文」台明寺文書)、折橋田(正慶二年閏二月九日「妙願寄進状」同文書)、国玉・上津山(永享三年三月日「大隅国留守所下文写」調所氏家譜)などの地があった。このうち大坪は現在の名波なば町字北大坪きたおおつぼ・南大坪、折橋田は重久の折橋原おりはしばいに比定でき、これらの地を含んで一帯に散在していたと思われる。大隅国建久図田帳には曾野郡の国方公田のうちに「重富三十三丁」とみえ、税所藤原篤用の知行であった。また当名および税所篤守(篤用の兄)知行の重枝しげえだ(二〇丁)のうちから合せて三丁が大隅正八幡宮(現鹿児島神宮)の佃として寄進されていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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