化学辞典 第2版 「金属タンパク質」の解説
金属タンパク質
キンゾクタンパクシツ
metalloprotein
金属イオンを含み,金属がとくに活性発現に不可欠な因子であるタンパク質の総称.金属が活性発現に果たす役割は,
(1)金属イオンの酸化状態,配位状態などの状態変化が直接機能に関与する場合,
(2)金属イオンが酵素-基質複合体形成の際の仲介となるか,酸塩基触媒作用を発揮する場合,
である.(1)は鉄イオン,銅イオンである例が多く,ヘモグロビン,シトクロムなどのヘムタンパク質,コハク酸脱水素酵素など非ヘム鉄タンパク質,ラッカーゼなどの銅酵素が代表的である.(2)は亜鉛イオンの例が知られ,カルボキシペプチダーゼ,炭酸脱水素酵素などが代表例である.これらのほかに,モリブデンを含むもの,またマグネシウムイオンとポルフィリンとの錯体を含むクロロフィルタンパク質もこの分類に入る.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報