金平価(読み)キンヘイカ(英語表記)gold parity

デジタル大辞泉 「金平価」の意味・読み・例文・類語

きん‐へいか【金平価】

金本位制度下で、本位貨幣に含まれる法定の金量を比較して得られる各国間の通貨の交換比率。法定平価

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精選版 日本国語大辞典 「金平価」の意味・読み・例文・類語

きん‐へいか【金平価】

  1. 〘 名詞 〙 金本位制を採用している国々の間での通貨の価値比率。それぞれの本位貨幣一単位の含有する金の純分量の比に応じて算出する。法定平価

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金平価」の意味・わかりやすい解説

金平価
きんへいか
gold parity

金本位制度のもとでは、各国の貨幣一単位の価値は法律によって純金の一定量に定められていたので、各国の貨幣の交換比率はこのような純金分量を比較して算出された。これが金平価であり、法定平価mint parityともいう。金本位時代における日本の1円は純金2分(ぶ)(750ミリグラム=11.5742グレイン)、アメリカの1ドルは23.22グレインと規定されていたので、両国間の金平価は100円=49.845ドルであった。外国為替(かわせ)相場は金平価を基準とし、これに金現送費を加減した範囲内で変動した。

[土屋六郎]

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百科事典マイペディア 「金平価」の意味・わかりやすい解説

金平価【きんへいか】

金本位国の通貨一単位の価値が,法律によって一定重量の金で示され,各通貨の金含有量を比較することによって,任意の2通貨の価値比率(交換比率)を算出することができる。これを金平価という。法定平価とも。金本位制度が崩壊したため一時IMF平価がこれに近い存在であった。
→関連項目平価法定平価

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金平価」の意味・わかりやすい解説

金平価
きんへいか
gold parity

金本位制度において各国の本位貨幣に含まれる金量を比較して算出される各国通貨の交換比率。金本位制度では本位貨幣の金含有量は法律で定められているので法定平価ともいわれた。 1930年代以降各国とも金本位制を廃止したので,今日では純粋な意味での金平価はない。 (→平価 )

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改訂新版 世界大百科事典 「金平価」の意味・わかりやすい解説

金平価 (きんへいか)

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世界大百科事典(旧版)内の金平価の言及

【為替相場】より

…(2)金本位制のもとでは,各国の通貨は一定量の金と結びつけられていたため,2国の通貨の間の交換比率はそれぞれの通貨の金含有量を媒介として算出することができた。この金平価が2国間の為替相場の基準となり,金現送(〈金本位制度〉の項参照)のメカニズムによって為替相場はこの基準から大きく乖離(かいり)することはなかった。その意味で金本位制は固定為替相場制(固定相場制)の代表的なものである。…

【金本位制度】より


[定義]
 一国の貨幣制度の基礎となる貨幣すなわち本位貨幣がの一定量と等価関係におかれている制度。この制度のもとでは,(1)一国の通貨一単位の価値は一定量の金によって示され,それを法定平価(金平価)と呼ぶ。最も古典的なのは,その国の基準となる通貨(本位通貨)が金貨の場合である。…

【平価】より

…中央銀行は,その国の通貨をいつでもその定められた比率での金との交換を保証した。この一定交換比率のことを法定平価mint par (mint par of exchange),または金平価gold parという。第2次大戦後のIMF体制のもとでは,この法定平価は1オンス=35ドルであった。…

※「金平価」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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