旺文社世界史事典 三訂版「金本位制」の解説
金本位制
きんほんいせい
gold standard system
この制度では貨幣と金とが自由に交換でき,金貨の輸入や鋳造の自由も保証され,国内の通貨,外国為替相場の安定が自動調整作用によって保たれる。19世紀イギリスに始まり,世界の金生産の増大により同世紀末には大部分の国が金本位制を採用(日本は1897年),第一次世界大戦まで続いた。大戦で停止され,戦後復活したが,イギリス経済の衰退や世界恐慌などにより,1930年代にはイギリスを先頭に諸国が金本位制から離脱した。第二次世界大戦後は,アメリカ経済の強大化を背景に,国際通貨基金(IMF)制度の下でドル中心の金為替本位制となった。1971年ニクソンがドルと金の交換停止を発表,73年以降国際的には変動相場制がとられるようになった。
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