金沢峠(読み)かなざわとうげ

日本歴史地名大系 「金沢峠」の解説

金沢峠
かなざわとうげ

諏訪伊那中部を結ぶ峠で、甲州道中金沢宿より大池新田おおいけしんでん村を経て西方約六キロの所にあり、標高一三一五メートル。金沢峠越えの道は峠より伊那側へは松倉まつくらを通り御堂垣外みどうがいと杖突道つえつきみちと合し、高遠たかとお城搦手金沢口に達し、また、芝平しびらばらぐちを経て栗幅くりはば(栗羽場)で杖突道に合する。一方、諏訪側へは大池口のほか、木舟きぶね新田村茅野ちの(西茅野)大沢おおさわ新田村への道が通じており、また山の峰伝いに南へ千軒平せんげんだいらいけだいらを経て、途中御射山神戸みさやまごうど村よりの道を合して御所平ごしよだいら峠道へ通ずるなど、中世以来、諏訪と上・下伊那を結ぶ重要な交通路であった。


金沢峠
かなざわとうげ

現上伊那郡高遠町と現茅野市との境にある標高一三一五メートルの峠。伊那郡と諏訪郡との郡境に位置する。中村元恒の「伊那古道記」(蕗原拾葉)に「金沢は古は青柳といふ故に金沢嶺をいにしへ青柳嶺と見へたり、古俗の伝に青柳より金を掘出してより改て金沢といふとなん」とある。御堂垣外みどうがいとからその枝村松倉まつくらを通って峰に達し、大池おおいけ(現茅野市)を経て甲州道中金沢宿(現茅野市)に達するがこの間三里。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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