金貸(読み)かねかし

精選版 日本国語大辞典 「金貸」の意味・読み・例文・類語

かね‐かし【金貸】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かねがし」とも ) 利息を取って金銭を貸すこと。また、それを業とする人。
    1. [初出の実例]「善五郎などを頼み大分の銀がしして世をわたり」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)六)

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改訂新版 世界大百科事典 「金貸」の意味・わかりやすい解説

金貸 (かねかし)

利息をとって金銭を貸すこと,またそれを職業とする者。金融業者は古今東西,時と所とを問わず見られたものであるが,江戸時代には質屋のように担保物品をとらずに金を貸借するのを素金(すがね)(素銀)と呼び,都市の細民に零細な素金を貸して高利をとる者も多かった。座頭金(ざとうがね)は鍼(はり),あんま,遊芸などを業とする盲人が行ったもので,一般の高利貸よりも利息が高く,取立てがきびしいことで知られた。烏金(からすがね)というのは一昼夜を期限としたもので,明烏(あけがらす)が鳴けば返すというのでこの名があった。百一(ひやくいち),百一文と呼ばれたのは,朝100文を借りると夕方に101文返すもので,棒手振(ぼてふり)の行商人などには必要不可欠ともいえる金融機関であった。朝,元手の金を借りて野菜,魚貝などを仕入れ,1日売り歩いてその晩元利を返済する。〈四五文ヲ加ヘテ還之事難キニ非ズ〉と《守貞漫稿》は書いている。
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