裁縫用具一そろいを入れる箱。紙製、木製、プラスチック製などがあり、箱型、引出し付き、重ね箱、手提げ型などがある。中に入れる道具にあわせた仕切り付きのものは、整理しやすく便利である。携帯用としてごく小形の裁縫用具入れがあり、ハンドバッグなどに収まる。古くは鎌倉時代以後、手筥(てばこ)型の針箱が使われ、蒔絵(まきえ)風の装飾的なものが上流階級の間で用いられた。一方、庶民の間では竹、籐(とう)などで自分でつくった素朴な籠(かご)型のものが使われた。嫁入り道具の一つであった木製の裁縫箱は、引出し付きで、上部に浅い重ね箱が収まり、折り畳み式の蓋(ふた)がついている。仕切りがあり、針、針刺し、縫い糸、指貫(ゆびぬき)、へら、鋏(はさみ)などが、整理しやすいようにつくられていた。また、厚地のボール紙に布張りした文庫型の折り畳み式のものは、厚みがないので持ち運びに便利である。
[岡野和子]
…このほか,出針や着物を着たまま縫うことも嫌われ,袖を片方つけっぱなしにすると仏の着物になるとか縫いはじめた着物に年を越させるな,横にあてつぎするなというなど禁忌や俗信は非常に多い。 裁縫用具も神聖視され,ものさしをまたぐと出世しないとか,針箱を逆さにすると貧乏になってふだん着にさえ困るという伝承がある。とくに針箱や苧桶(おぼけ)は女の分身とされ,嫁入道具の一つでもあったが,他人の針箱をいじると指が腐るとか女房の針箱をのぞく亭主はそれだけで村の笑いものになることもあった。…
… 戦争中には出征する兵士の無事を祈って,千人針の風習が街頭で行われたが,これは針に呪力を認め人々の魂を縫い込めて生命を守ろうと考えたのであろう。こうした呪力ある針などの裁縫道具を納める針箱は,女の霊魂の宿る私物入れとして神聖視され,しばしば〈へそくり〉をしまう所とされた。【飯島 吉晴】
[西洋]
縫針や留針など身近な針には,西洋でもさまざまな意味が付与されており,英語圏に限っても針にまつわる多くの成句や言いまわし,習俗がある。…
※「針箱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
〘 名詞 〙 春の季節がもうすぐそこまで来ていること。《 季語・冬 》 〔俳諧・俳諧四季部類(1780)〕[初出の実例]「盆栽の橙黄なり春隣〈守水老〉」(出典:春夏秋冬‐冬(1903)〈河東碧梧桐・高...
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