山川 日本史小辞典 改訂新版 「鉇」の解説


やりがんな

槍鉋とも。木材を削る工具で,釿(ちょうな)などで荒削りしたものを仕上げるのに使う。古墳時代から遺品があり古代中世に盛んに使われたが,近世では台鉋(だいかんな)の出現で姿を消した。やや幅の広い槍の穂先に似た刃が少し反(そ)りあがり,これに木柄をつけて両手で握り座って手前に引いて削る。正倉院宝物に遺品があるほか,「石山寺縁起」「春日権現験記」など中世の寺社縁起絵巻に使用場面が描かれる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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