正倉院宝物(読み)しょうそういんほうもつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「正倉院宝物」の意味・わかりやすい解説

正倉院宝物
しょうそういんほうもつ

東大寺正倉院に保管される宝物。天平勝宝8 (756) 年6月 21日聖武天皇の 49日忌に,光明皇后によって献納された天皇遺愛品 600点余を母体とし,これに平安時代の天暦4 (950) 年に東大寺羂索院の倉から移納された寺の什器類などを加え,約 9000点が3倉に分納されていた。宝物の大部分は8世紀の遺品で,図書,文房具,調度品,楽器,楽面,楽服,遊戯具,服飾品,薬物武器武具仏具,荘厳具,食器,年中行事具などに分類される。これらの大半は日本で製作されたものであるが,大陸からの輸入品も多く,材料,意匠,技法の面で広くアジア全域からの影響がみられる。奈良時代以降,天皇家および東大寺によって厳重に管理されてきたため,宝物の散逸,破損などの被害が少い。 1881年以降は宮内庁が管理を続け,1962年より鉄筋コンクリートの西庫に収蔵されている。毎秋一部が奈良国立博物館で公開される。

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旺文社日本史事典 三訂版 「正倉院宝物」の解説

正倉院宝物
しょうそういんほうもつ

東大寺正倉院宝庫に納められている品物
北倉には光明皇后から東大寺に奉納された聖武天皇の遺愛品,中倉には大仏開眼会の献納品や武器・武具・文書類,南倉にはおもに東大寺の法会用具,特に伎楽 (ぎがく) 面や楽器などが納められている。大部分は奈良時代のものであるが,唐代の遺品も多く,遠く中近東,ギリシアローマにつながるものがある。

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