鉱床生成期(読み)こうしょうせいせいき(その他表記)metallogenic epoch

改訂新版 世界大百科事典 「鉱床生成期」の意味・わかりやすい解説

鉱床生成期 (こうしょうせいせいき)
metallogenic epoch

ある地域に同一の成因をもつ鉱床が集中的に生成した時期をいう。鉱床は火成作用堆積作用などにより生成されるものであるから,鉱床生成期はそのような作用が起こった時期に対応している。時期,期間ともに鉱床のタイプによりさまざまであるが,先カンブリア時代から現在までの地質時代に世界各地でいろいろな鉱床生成期が知られている。例えば,全世界の大陸地域にみられる縞状鉄鉱層大部分は約20億年前ころの2億~3億年間に生成したもので,この時期に海洋大気組成に大きな変化が生じたために莫大な量の鉄鉱海水から沈殿したものと考えられている。日本の火成鉱床の大部分は二つの鉱床生成期,白亜紀(7000万~1億3000万年前)と新第三紀(1万~2500万年前)のいずれかに属しているが,これはこれらの時期に花コウ岩質マグマの活発な活動があり,多くの火成鉱床がその活動により生成されたためである。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 英彦 島崎

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android