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火成鉱床 かせいこうしょうigneous deposit; magmatic deposit

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

火成鉱床
かせいこうしょう
igneous deposit; magmatic deposit

マグマの発生から,マグマの移動,固結にいたる過程は,地下深部から地殻上部への元素の分化をもたらすもので,多くの重要な鉱床はこの過程でつくられる。このようなマグマ過程を通じて形成される鉱床には,正マグマ鉱床ペグマタイト鉱床熱水鉱床などいろいろのものがあるが,火成鉱床はこれらのすべてを含む鉱床の総称。火成鉱床は種類も多く,成因も多様であると考えられるが,成因をもとに大別すると次の3つのものになろう。 (1) マグマ (ケイ酸塩溶融体) とその他の溶融体が不混和であることによって生じる鉱床。ニッケル-銅鉱床,白金鉱床などがこれによるものと考えられる。 (2) マグマの中で重い鉱物が晶出して沈殿することによって生じる鉱床。クロム鉄鉱鉱床,チタン鉄鉱鉱床などがこれによるものと考えられる。 (3) ガス,熱水溶液に溶けこんだ金属元素が,あるところで沈殿することによって形成される鉱床。一般に熱水鉱床と呼ばれるものがこれである。

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百科事典マイペディアの解説

火成鉱床【かせいこうしょう】

マグマ鉱床とも。マグマの冷却固結・分化の過程で特定の鉱物が濃集して形成された鉱床の総称。鉱床を成因によって三大別した場合,堆積鉱床変成鉱床に対置される一群の鉱床。
→関連項目鉱床

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世界大百科事典 第2版の解説

かせいこうしょう【火成鉱床 igneous deposit】

マグマの活動(火成作用)に関係した地質現象により生成される鉱床で,マグマ性鉱床magmatic depositともよばれる。堆積鉱床,変成鉱床とならんで鉱床を成因上で三大別したうちの一つである。マントル上部あるいは地殻下部で発生したマグマは,上昇して地殻上部に貫入あるいは地表に噴出する。この間に冷却するにしたがって固相を晶出し,水やガスなどを放出する。このような地質現象により,有用な元素や鉱物が濃集したものが火成鉱床である。

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大辞林 第三版の解説

かせいこうしょう【火成鉱床】

マグマの固結作用の過程で形成された鉱床の総称。正マグマ鉱床・ペグマタイト鉱床・熱水鉱床・接触交代鉱床など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

火成鉱床
かせいこうしょう
igneous deposit

マグマの活動(火成作用)によって生成される鉱床で、マグマ鉱床ともいう。堆積(たいせき)鉱床、変成鉱床と並んで、成因により鉱床を三大別したうちの一つにあたる。マントル上部あるいは地殻下部で発生したマグマは、地殻上部に貫入し一部は地表に噴出する。この間に冷却してさまざまな鉱物を晶出し、熱や水、ガスなどを周囲へ放出する。このようなマグマの活動により、有用な元素や鉱物が濃集したものが火成鉱床である。火成鉱床は正マグマ性鉱床と熱水鉱床に大別されるが、ペグマタイト鉱床というこの中間の性質をもつタイプも存在する。
 正マグマ性鉱床は、有用な金属を含む鉱物がマグマから直接晶出してできる鉱床である。通常のマグマ(ケイ酸塩溶融体)からチタン鉄鉱、クロム鉄鉱などが晶出し、これらが沈積、集合してできるチタンやクロムなどの鉱床と、特殊な組成をもつマグマ(たとえば硫化物溶融体・酸化物溶融体・炭酸塩溶融体など)が固結してできるニッケル、白金、希土類元素の鉱床などが代表例である。
 通常のマグマは、多いときには数(重量)%程度の揮発性物質(おもに水やハロゲンガス)を溶解しているが、マグマが固結してできる火成岩はあまり揮発性物質を含むことができない。このため、固結の過程では大量の揮発性物質と熱が放出される。放出された物質は水を主とした流体(熱水とよばれる)となり、種々の金属や非金属を溶解し、冷却するにしたがってさまざまな鉱物を沈殿、濃集する。これが熱水鉱床で、錫(すず)、タングステン、モリブデン、銅、亜鉛、鉛、鉄、金、銀、マンガン、アンチモン、水銀、ウラン、蛍石(ほたるいし)(精錬原料)などの多様な鉱床がこの作用により形成される。
 酸素や水素の同位体の研究から、熱水はかならずしもマグマから放出されるものばかりではなく、地殻上部に入り込んだ地表水などがマグマにより温められ、熱水となるものがあることが知られている。地表水を起源とした熱水の発生も、マグマ活動に関係した重要な地質現象であり、このような熱水により生成される鉱床も火成鉱床とみなしうる。[島崎英彦]

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