日本大百科全書(ニッポニカ) 「銅川」の意味・わかりやすい解説
銅川
どうせん / トンチョワン
中国、陝西(せんせい)省中部の地級市。耀州(ようしゅう)など3市轄区と宜君(ぎくん)県を管轄する(2016年時点)。常住人口83万4437(2010)。黄土(こうど)高原の南端に渭河(いが)平原を望んで位置し、関中(かんちゅう)中心部の北方を固めるとともに、関中より陝西省北部へ至る交通路を押さえる要衝であった。この付近は、長安に都のあった時代はその畿内(きない)に含まれたが、北魏(ほくぎ)のとき、北雍州(ほくようしゅう)が設けられ、銅川の位置には銅官(どうかん)県(のち同官県と改められる)が設けられた。地名は傍らを流れる同官川にちなむ。1946年銅川県と改められ、1958年市となった。
咸銅線(咸陽(かんよう)―銅川)、梅七線(梅家坪(ばいかへい)―前河鎮)が通じる。渭河平原北部の工業中心地であり、石炭業、セメント工業、機械工業などが盛ん。市内には唐の玉華宮(ぎょくかきゅう)や、北宋(ほくそう)の青磁製作で著名な耀州窯(よう)の遺跡があるほか、耀州区には本草学に関する碑石で有名な薬王山がある。
[秋山元秀・編集部 2017年7月19日]