鎌田井筋(読み)かまだゆすじ

日本歴史地名大系 「鎌田井筋」の解説

鎌田井筋
かまだゆすじ

近世初期、鎌田村から新居にい(現土佐市)仁淀によど川右岸に構築された用水路で、高岡平野を灌漑した。鎌田溝・高岡井ともいわれた。取水口は鎌田堰の鎌田閘であったが、昭和一二年(一九三七)以後は上流の現高岡郡日高ひだか立岩たていわに移された。

承応三年(一六五四)野中兼山が普請奉行渋谷長右衛門に命じて着工、明暦三年(一六五七)に完成するが、高岡村(現土佐市)までの水懸りが悪かったことから、延宝三年(一六七五)同村庄屋真辺五郎兵衛が再改修した(「水路土工志」皆山集)。「南海之偉業(皆山集)に「深所一丈浅所九尺広七間余緩流長一里廿一丁船筏ヲ通ズ、鎌田閘ニヨリテ仁淀川ヲ引キ大内・高岡・中島ノ諸村ヲ経テ新居村ニ至リ再ヒ仁淀川ニ帰ス、以テ耕田五百五十四町九反余ノ養水ニ供ス」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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