長崎保(読み)ながさきほ

日本歴史地名大系 「長崎保」の解説

長崎保
ながさきほ

現長崎町付近に比定される。永和元年(一三七五)法勝ほつしよう(現京都市左京区)が皇室祈願所であることを理由に、大嘗米を免除された寺領のなかに「加賀長前庄」がみえる(同年一一月一六日「後円融天皇綸旨案」東寺百合文書)。長禄二年(一四五八)四月長崎保は幕府より北野社松梅院に還付されたが(同年四月一六日「足利義政御判御教書」北野神社文書など)、文明九年(一四七七)九月二〇日法勝寺に当保の当知行が安堵された(「後土御門天皇綸旨」親長卿記別記)。長享二年(一四八八)長崎保などを押領されていた松梅院の申請により、幕府は違乱停止を命じ(同年一一月三日「室町幕府奉行人連署奉書案」北野社家日記同月九日条)、翌延徳元年(一四八九)にも年貢不沙汰を止め、入部する松梅院代の沙汰に従うよう長崎保の名主沙汰人に命じている(同年一〇月二日「室町幕府奉行人連署奉書案」同日記一〇月一三日条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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