朝日日本歴史人物事典 「長谷川弘」の解説
長谷川弘
生年:文化7(1810)
幕末明治期の和算家。陸奥国登米郡(宮城県)の農家に生まれる。本姓は佐藤。初め千葉胤秀に和算を学び,長谷川寛 の養子となる。寛の没後天保11(1840)年に長谷川道場を継ぐ。独自の研究家というよりは,寛同様に優れた啓蒙家である。著書の多くは門弟の名前で出している。弘化1(1844)年の『算法求積通考』は円理表(定積分表)を載せた円理の入門書としては完備したもので,彼の実力のほどを示している。弟子としては和算史家の岡本則録,幕府海軍の小野友五郎らが著名。<参考文献>日本学士院編『明治前日本数学史』5巻
(佐藤賢一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報