阪田三吉(読み)さかたさんきち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「阪田三吉」の意味・わかりやすい解説

阪田三吉
さかたさんきち
(1870―1946)

将棋棋士。坂田三吉とも書く。大阪の堺(さかい)舳松(へのまつ)(現堺市協和町)に生まれる。22歳のときに堺の棋会で関根13世名人(当時四段)に敗れ発奮する。1913年(大正2)阪田七段初の東京入りで、関根八段に香(きょう)落ちで勝ったが、このときの名台詞(めいせりふ)「銀が泣いている」の記念対局は有名。15年小野12世名人から八段位を免許される。25年関西名人を宣言、以後約16年間棋界から孤立した。37年(昭和12)木村義雄(よしお)八段と南禅寺、花田長太郎八段と天竜寺で一局七日制(7日間で1局を指す)の決戦に敗れた。第2期名人戦リーグに無段で参加、15戦して7勝8敗。その起伏に富む生涯は、『王将』のタイトルで芝居、映画、歌の題材とされ、死後に光る。55年(昭和30)将棋連盟から名人位、王将位を追贈された。大阪府豊中(とよなか)市服部(はっとり)霊園に駒型(こまがた)墓碑が建てられている。

原田泰夫

『木村義雄他監修『日本将棋大系14』(1980・筑摩書房)』

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