ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「阮文岳」の意味・わかりやすい解説
阮文岳
げんぶんがく
Ruan Wen-yue; Nguyên Van-Nhac
[没]1793
ベトナムの黎朝末期,タイソン党の乱の首謀者阮氏3兄弟の長兄。弟は文呂,文恵。徴税吏であったが,税金を賭博に使い,タイソンに逃れて 1771年に反乱を起した。鄭氏を黎朝とともに滅ぼし,87年ベトナムを3分し,みずからは中央皇帝として広南,平順を治め,文呂を東定王として嘉定を,文恵を北平王としてユエ (順化) ,乂安を支配させた。 90年,北京におもむいて乾隆帝に拝謁。 92年光中帝を称していた文恵が死に,跡を継いだ子の阮光纉が文岳の支配領域である帰仁を奪い,文岳はそれに対する怒りのうちに,93年没した。光纉は 1802年,阮福映に殺されてタイソン時代は終った。
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