日本大百科全書(ニッポニカ) 「防塵マスク」の意味・わかりやすい解説
防塵マスク
ぼうじんますく
鉱物性などの人体に有害なおそれのある浮遊粉塵の吸入を防止する濾過(ろか)式呼吸用保護具。吸気中の粉塵粒子は性能のよい濾過材で分離され、清浄化された空気のみを吸入できる。厚生労働省の規格による防塵マスクには、形状により隔離式と直結式の2種が、面体により全面形と半面形の2種がある。一般に直結式半面形が広く用いられている。粉塵捕集効率は、粒径2マイクロメートル以下で濃度が1立方メートル当り30ミリグラムの石英粉塵に対して95%以上、吸気抵抗は水柱8ミリメートル以下とされている。粉塵作業場では厚生労働省の検定に合格したマスクを用いなければならない。マスクは性能がよく、使用者の顔面に密着するものを正しく装着し、かつ手入れをよくしなければ効果がない。
[房村信雄]