塵肺(読み)じんぱい(英語表記)pneumoconiosis

翻訳|pneumoconiosis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

塵肺
じんぱい
pneumoconiosis

粉塵を長期間吸入することによって,それがに貯留して,そのため肺組織に線維増殖性変化を中心とした不可逆的な病変を起した状態をいう。粉塵の種類によりケイ肺,鉄粉肺,石綿肺炭肺石肺などがある。最も古くから存在する職業病である。肺に線維化が起って結節をつくり,塊状巣を形成する。これに伴って肺胞壁の破壊が起って肺気腫となり,肺の換気・血流障害がもたらされる。症状は咳,痰,息切れ心悸亢進など。いったん結核や肺炎などの感染症を合併することが多い。肺に変化が起ると治療によって回復させることはできないので,予防対策,早期発見が重要である。塵肺法労働安全衛生法労働基準法によって,定期健診,作業環境管理,業務上疾病としての補償が行われている。

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百科事典マイペディアの解説

塵肺【じんぱい】

各種の粉塵の吸入により,肺に繊維増殖が認められ,次第に肺機能が低下する疾病。重要な職業病X線検査で異常な陰影が見られる。ここでいう粉塵とは細菌のような生物体を除く固体の粉末物質である。石英のような非結合型ケイ酸の吸入によって起こる珪肺(けいはい)は塵肺の代表的なもので,かつて,〈よろけ〉〈よいよい〉などと呼ばれた。炭鉱労働者や石工の珪肺はすでにローマ時代から記録されている。→塵肺法
→関連項目鉱山保安炭鉱

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世界大百科事典 第2版の解説

じんぱい【塵肺 pneumoconiosis】

職業病の一つで,長期間にわたって吸入された多量の粉塵が肺に沈着し,その結果,肺に広く繊維増殖性変化(肺繊維症)を起こす病気である。このため肺胞への空気の出入りが悪くなり息切れが起こる。最も数が多く,重症に進みやすいのは珪肺石綿症である。このほか鉄粉吸入の鉄肺アルミナ粉塵吸入のアルミナ肺などがあり,また無機粉塵だけでなく綿肺,サトウキビ肺,線香肺など有機粉塵によるものもある。 病気が進むと,呼吸困難などの自覚症状が起こる。

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大辞林 第三版の解説

じんはい【塵肺】

〔「じんぱい」とも〕
職業病の一。長期間にわたる石綿その他の粉塵の吸入によって肺の組織内に繊維増殖性変化を起こし、心肺機能の低下をきたす疾患。塵肺症。肺塵埃症はいじんあいしよう

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世界大百科事典内の塵肺の言及

【珪肺】より

塵肺(じんぱい)の一種で,職業病の一つ。遊離ケイ(珪)酸(石英など)を含む石やガラスなどを取り扱う採鉱場・石切場・陶磁器工場で長い間(5~20年)働いた人たちが,遊離ケイ酸をたくさん吸いこんだ結果,それが肺にたまって肺の繊維組織が増えて肺が硬くなり,その結果肺の働きが障害されて起こる。…

※「塵肺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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