阿城(読み)あじょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿城」の意味・わかりやすい解説

阿城
あじょう / アーチョン

中国、黒竜江(こくりゅうこう)省中南部にあるハルビン市の市轄区。別名アルチュカ。ハルビンの南東約50キロメートル、浜綏(ひんすい)線に沿う。常住人口59万6865(2010)。このあたりは7月の気温が24℃にもなり、雨量もあって農業に適し、大豆、コウリャンアワ、トウモロコシ、小麦、大麦、アマ(亜麻)のほか、特産物としてテンサイ、アイ、花崗岩(かこうがん)の石材や石臼(いしうす)、石灰を産する。工業は冶金、電気器具・機械製造、紡績、食品加工など。

 古代から民族の角逐が甚だしく、粛慎(しゅくしん)、挹婁(ゆうろう)、勿吉(もっきつ)、靺鞨(まっかつ)、渤海(ぼっかい)、女真(じょしん)に属し、金(きん)の上京会寧府(じょうけいかいねいふ)の白城、明(みん)の阿実衛(あじつえい)、清(しん)のアルチュカ城となった。アルチュとは耳たぶの意味で、市の中央を流れる阿什河(あじゅうが)の深い蛇行を表す。

[浅井辰郎・編集部 2017年7月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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