除細動(読み)ジョサイドウ(英語表記)defibrillation

デジタル大辞泉 「除細動」の意味・読み・例文・類語

じょ‐さいどう〔ヂヨ‐〕【除細動】

心臓の拍動異常の原因となる心室細動心房細動を抑えて、正常な調律に戻す治療法。電気刺激薬剤を用いて行う。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「除細動」の意味・わかりやすい解説

除細動
じょさいどう
defibrillation

重篤な不整脈が発生したとき、強い電流を心臓に流して、不整脈を起こしている電気的な活動を停止させ、心臓のリズムをもとにもどす方法。正常な心臓では、心筋全体が規則正しいリズムに従って興奮し、収縮拡張を繰り返すが、弱った心臓に刺激が加わったときなどに、心筋の各部分がばらばらに興奮する「細動」とよばれる状態になることがある。心室に細動がおこると(心室細動という)、血液が拍出できなくなり、放置すれば数分で死に至る。細動を停止させるには、心臓に瞬間的に強い電流を流すことが必要で、そのための装置を除細動器という。体外から除細動を行うには、心臓を挟むような位置に1対の電極を当て、2000~7000ボルトの電圧を1000分の2秒程度加える。重症の不整脈があり、細動が起こる危険が大きい場合、細動を検知して自動的に除細動を行うことのできる装置を体内に植え込んでおく方法があり、そのための装置を植え込み型除細動器という。

[戸川達男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android