心室細動(読み)しんしつさいどう(英語表記)ventricular fibrillation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

心室細動
しんしつさいどう
ventricular fibrillation

心臓の拍動において,心室の各小部分が無秩序で不規則に収縮する状態をいう。収縮の頻度,すなわち心電図上の波形が毎分 170~300のものを粗動,毎分 300~600のものを細動と区別していうこともあるが,周期にはっきりした規則性がないので,心室に関しては細動と粗動の区別が困難である。心室細動のとき,心室からの血液の拍出ができないので,心停止が起る。この場合,ただちに救急救命処置を行わないと突然死にいたる。除細動器の使用が有効である。心室細動は,冠状動脈硬化症によることが最も多いが,ジフテリア,梅毒性大動脈弁閉鎖不全症などでもしばしば起る。

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知恵蔵の解説

心室細動

心房細動」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディアの解説

心室細動【しんしつさいどう】

心室筋が全体としてでなく,一部分ずつ収縮する状態。心電図で大小不同の不規則な波が出現する。この際,血液が心臓から拍出されないため,循環不全を起こし死亡する。冠不全ジギタリス中毒,胸部手術時などに起こる。除細動器によって電気刺激を与え治療するが,約5分以内に処置しなければ回復しない。心臓死などの主要原因。
→関連項目AED不整脈

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家庭医学館の解説

しんしつさいどう【心室細動 Ventricular Fibrillation】

[どんな病気か]
 心室の中で、非常に速くて不規則な電気の旋回(せんかい)(空回り)が生じておこる不整脈(ふせいみゃく)です。心室細動がおこると、心臓は小刻みに震えるだけとなり、血液を送り出すことができなくなり、心臓停止と同じ状態になります。そのため、意識がなくなり、けいれんがおこります。
 心室細動がおこったときは一刻を争って治療しないと生命にかかわります。
[原因]
 心室細動は、心筋梗塞(しんきんこうそく)や心筋症(しんきんしょう)などの心臓病にともなう心室頻拍(しんしつひんぱく)が生じたときにおこるのがほとんどです。まれに、WPW症候群(しょうこうぐん)でもおこることがあります。
 心臓病や他の病気がまったくないにもかかわらず、急に心室細動がおこって、突然死することもあります。特発性心室細動(とくはつせいしんしつさいどう)といい、「ぽっくり病」の原因の1つと考えられています。
[治療]
 心室細動がみられた場合は、すぐに心臓マッサージを行ない、除細動器で電気ショックをかけ、蘇生(そせい)を試みます。
 蘇生に成功した人に、心室細動が再発してもそれを自動的に停止できるよう、植え込み型除細動器という器械(コラム「植え込み型除細動器」)を植え込むことがあります。

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大辞林 第三版の解説

しんしつさいどう【心室細動】

心室筋が無秩序に興奮していて、血液を送り出すような収縮が生じない状態。一種の心停止状態。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

心室細動
しんしつさいどう

心室全体が一律に収縮・拡張することなく、部分的に細かい単位で不統一に収縮・拡張を繰り返す致死的不整脈の一つである。心臓は有効な収縮をなしえず、心臓からの血液の拍出は停止する。したがって、適切な処置を行わなければ3~5分で脳に不可逆的な変化を生じ、死に至る。心電図では、正常人にみられるP波、QRS波、T波の区別はなくなり、波形・波高が不統一で、基線が不規則に動揺しているだけである。
 原因としては、心筋梗塞(こうそく)をはじめ、完全房室ブロックに伴う徐脈、ジギタリス中毒、感電、血清電解質異常などがあげられる。心室細動がなんの予告もなく出現することは少なく、前駆状態に続いて心室細動が発生することが多いので、この時期に適切な処置を行えば予防が可能である。多源性、連発性、RonT型の心室性期外収縮などは心室細動の前駆不整脈と考えられており、これらの不整脈が発見されれば、ただちにリドカインなどの抗不整脈剤が投与される。いったんおこってしまった心室細動に対しては、3分以内に電気的除細動を行うのが最良の治療法である。[井上通敏]

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世界大百科事典内の心室細動の言及

【除細動器】より

…不整脈の治療に使われる器械で,主として心房細動(心房の収縮がなくなり細かい波状に動く状態),心室細動(心室の収縮がなくなり細かい波状に動く状態)を正常調律に戻すときに用いられる。心房細動や心室細動は心房筋,心室筋の各部分が電気的にばらばらに活動しているため起こるもので,除細動器は,心臓に直流の高圧電流を流して心臓全体を同時に収縮させた状態におき,全体の足並みを整える。…

※「心室細動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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