家畜の角をとり除く作業。除角により動物の性質が温順になり,管理の危険が減少し,また群飼した場合の個体間の競合や闘争が緩和される。方法としてはふつう幼時に角の成長点を焼烙(しようらく)して発育を止める方法がとられている。まず動物を保定して,角の生えてくる部分の毛を刈って硝酸銀または棒状の苛性カリで強くこする。十分に焼かないと,あとで短いゆがんだ角が生えて,かえって醜くなる。赤熱した焼きごてで焼いたり,鋭利な小刀で切りとる方法もある。成畜で角の生えたものを除角器やのこぎりで切断する方法もあるが,この場合はとくに断角という。乳牛では除角により乳量が増すという説もあるが,根拠のない俗説である。
執筆者:正田 陽一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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