朝日日本歴史人物事典 「隆明」の解説
隆明
生年:寛仁3(1019)
平安中期の天台宗の僧。一説に寛仁4(1020)年,同5年生まれ。羅惹院僧正と号する。権中納言藤原隆家の子。明尊 に師事。白河,堀河天皇の護持僧を勤め,白河上皇に授戒。近江(滋賀県)園城寺に羅惹院を創建,三室戸寺(京都府宇治市)を再興する。崇福寺,梵釈寺の別当を歴任。承徳2(1098)年に園城寺長吏となり,法成寺執行職を寺門派の僧に固定するよう申請。康和2(1100)年,園城寺の大衆に住房を焼かれ,長吏を甥の増誉に譲る。同4年大僧正に昇進。増誉が修験道に通じたのに対し,隆明は寺内での顕密二教の修学に励んだという。
(岡野浩二)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報