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海王星 かいおうせいNeptune

翻訳|Neptune

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

海王星
かいおうせい
Neptune

太陽系の最も外側の惑星木星型惑星 4個の一つ。太陽からの平均距離は約 44億9840万 km。軌道の離心率は 0.0086で,金星を除くどの惑星よりも小さい。公転周期 164.79年。赤道半径約 2万4764km(地球の 3.88倍),極大光度 7.8等で,肉眼では見えない。質量は地球の 17倍以上あり,体積は 44倍をこえる。1846年,ヨハン・G.ガレによって発見されたが,それは偶然の発見ではなく,天王星摂動に不審をもったウルベン=ジャン=ジョゼフ・ルベリエの精密な計算に基づいて行なわれたもの。また同じ頃ジョン・C.アダムズもその位置を算出し,その存在を予言していた。これは天体力学の偉大な成果といわれる。アルベド 0.68,緑がかった青色で,木星に似た内部構造をもつ。自転周期は 16.7時間,自転方向は順行,軌道面に対する赤道傾斜約 28.3°,衛星トリトンネレイドなど計 13個がある。海王星はほとんどが水素とヘリウムで構成されており明確な固体表面をもたないが,氷と岩石質の物質でできた芯を保有している可能性がある。太陽から遠く離れているためごくかぎられた量の太陽放射しか届かないので,海王星が受ける太陽光はすぐ内側の軌道を回る天王星のおよそ 2.5分の1にすぎない。しかしその実効放射熱は天王星とほぼ同じ約 59K(→ケルビン)であり,木星や土星のように内部に熱源があると推測される。外層大気にはかなりの量のメタンガスが含まれ,メタンによる赤色光の吸収により青色を帯びている。ほかの惑星ほど強くはないが海王星も地球のバンアレン帯に似た磁場で囲まれており,太陽風や高エネルギー荷電粒子を捕捉している。
1989年無人探査機ボイジャー2号(→ボイジャー)の観測により海王星に関するより詳しい事実が判明した。海王星の表面には秒速 300mをこえる風が吹いており,南半球には巨大な大黒斑があって大気活動は天王星よりも木星に近いと考えられる。衛星については地上からの観測で判明していたトリトンとネレイドの 2個以外に新たに 11個の衛星が発見された。トリトンは 13個の衛星中最大のもので,地球のとほとんど同じくらいの大きさがあるが,ほかの衛星は直径で 58kmから 4416kmまでの大きさで,不規則な外形をしており表面は非常に暗い。また海王星には少なくとも四つの環が周囲を取り囲んでいることが明らかになった。これらの環はほとんどが塵ほどの大きさの粒子で構成されているが,いちばん外側の環を構成する粒子の分布は均一ではなく,ほかの部分より高密度の明るい弧状をした領域が 5ヵ所あることが確認されている。

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知恵蔵の解説

海王星

天王星の外側を回る第8惑星。天王星の軌道が理論とずれることから、新たな惑星の存在が予想され、理論的に予想された位置に1846年に発見された。木星、土星に次ぐ大きなガス惑星。大気中のメタンにより、青色に見える。薄い環を持ち、衛星が13個確認されている。最大の衛星トリトン(triton)は海王星の自転とは逆方向に公転しているので、捕獲された小天体と考えられる。

(土佐誠 東北大学教授 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

かいおう‐せい〔カイワウ‐〕【海王星】

太陽系の8番目の惑星。太陽からの平均距離45億440万キロ、すなわち30.1104天文単位、公転周期164.774年、赤道半径2万4764キロ。質量は地球の17.15倍あり、自転周期は0.671日。4本の環とトリトンなど13個の衛星をもつ。1846年にベルリン天文台のJ=G=ガレが発見した。ネプチューン
[補説](衛星)トリトンネレイドナイアッドタラッサデスピナガラテアラリッサプロテウスハリメデプサマテサオラオメデイアネソ

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百科事典マイペディアの解説

海王星【かいおうせい】

太陽系の第8惑星。太陽との平均距離44億9700万km(約30天文単位),公転周期約165年。赤道半径2万4300km(地球の3.8倍),質量は地球の17倍,自転周期0.653日。
→関連項目ネプチューンネプツニウムボエジャー

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占い用語集の解説

海王星

魚座の支配星。海王星の発見は1846年。占星学上の基本的意味は「見えないもの」。イマジネーション。スピリチュアルを表す。集団的無意識。神秘体験。宗教。幻想。マイナス面ではアルコールや薬物による耽溺や自己欺瞞、現実逃避など。また時代との関係で石油を表す。海王星のことをネプチューンと呼ぶが、ギリシャ神話のポセイドン、ローマ神話のネピトゥヌスも共に海神とされている。

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世界大百科事典 第2版の解説

かいおうせい【海王星 Neptune】

軌道半長径=30.1104天文単位離心率=0.0090 軌道傾斜=1゜.770太陽からの距離 最小=44.64×108km 平均=45.04×108km 最大=45.44×108km公転周期=164.82年 平均軌道速度=5.44km/s会合周期=367.5日 赤道半径=2万4764km体積=58(地球=1) 質量=17.15(地球=1)平均密度=1.58g/cm3自転周期=0.664日 赤道傾斜角=27゜.8アルベド=0.41 極大光度=+7.8等赤道重力=1.11(地球=1) 脱出速度=23.49km/s太陽系の第8惑星。

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大辞林 第三版の解説

かいおうせい【海王星】

太陽系の第八惑星。天王星の位置の予測値と観測値のずれから J = C =アダムズとル=ベリエが理論的位置を推算し、それに基づいて1846年にベルリン天文台の J = G =ガレが発見。太陽からの平均距離約45億キロメートル。公転周期約165年。赤道半径2万4800キロメートル。質量は地球の約17倍。周囲に環を持っている。衛星は一三個発見されている(2006年現在)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

海王星
かいおうせい
Neptune

太陽系の内側から数えて8番目の大惑星。1781年に天王星が発見されたあと、天王星の運動が研究されたが、予測と観測値の間にしだいに大きなずれが生じてきた。これは、天王星の外側にさらに未知の惑星があって、その引力が天王星の運動に影響を及ぼしているのではないかと考えられた。イギリスのアダムズとフランスのルベリエはこの考えのもとに研究を進め、それぞれ独立に未知惑星の予測位置を求めたが、ルベリエの予測に従ってベルリン大学のガルレはただちに観測を行い、1846年9月23日にその新惑星を発見した。
 海王星の太陽からの平均距離は30.1104天文単位、すなわち45億0440万キロメートルほどで、公転周期は164.774年である。地球から見た明るさはもっとも明るいときで7.8等星なので、望遠鏡がないと見ることができない。視半径は1.17秒で、大望遠鏡でも小さな青みがかった球に見えるだけで、表面の模様などはほとんどわからない。
 実際の直径は4万9528キロメートルで、地球の約4倍、天王星よりわずかに小さいが、質量は地球の17.15倍で天王星より少し大きい。密度は1.64と小さく、木星型の惑星に属する。自転周期は16.1時間、赤道傾斜角は27.8度である。
 海王星の内部構造は理論的に3層からなると考えられ、中心にはおもに鉄やケイ素からなる核があり、その周りには水やメタンやアンモニアの液体でできたマントルがあり、最上部を水素やヘリウムのガスが厚く覆っていると思われる。大気のスペクトル観測では水素やメタンが観測されているが、アンモニアがみいだされないのは液体となって深く沈降しているためと思われる。表面温度は零下220℃ほどと求められているが、中心の温度はおよそ7000℃と推定されている。
 海王星には複数の衛星があるが、ここでは1846年にラッセルが発見したトリトンTriton、1949年にカイパーが発見したネレイドNereidについて述べる。トリトンは直径約2700キロメートルの大衛星で、海王星から平均35万5000キロメートルほどのところを5.8768日で公転している。この衛星の軌道面は海王星の軌道面と約160度も傾いており、いわゆる逆行衛星であるが、このような大衛星が逆回りをしているのは他に例がない。ネレイドは直径340キロメートルくらいの小さな衛星で、海王星からの平均距離は556万キロメートルであるが、離心率が0.75という非常に細長い楕円(だえん)軌道で、359.9日の周期で順行(軌道傾斜6.7度)の公転をしている。このほかに1989年アメリカの惑星探査機ボイジャー2号が六つ(ナイアドNaiad、タラッサThalassa、デスポイナDespina、ガラテアGalatea、ラリッサLarissa、プロテウスProteus)、2003年アメリカのハーバード・スミソニアン宇宙物理学センターとカナダ国家研究会議が地上望遠鏡で三つの衛星を発見している。[村山定男]

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世界大百科事典内の海王星の言及

【アダムズ】より

…しかし観測が行われぬまま,その翌年にフランスのU.J.J.ルベリエが同様の計算を行い,未知惑星の捜索をベルリン天文台のJ.G.ガレに依頼した。そして推算位置の近くに海王星が発見されたのである。アダムズの推算位置もほとんどルベリエと同じであったため,新惑星発見の功績をめぐってイギリス,フランス間に論争が起こったが,結局,アダムズ,ルベリエ,ガレの3者で栄誉を分け合うことになった。…

【ガレ】より

…1833年にベルリン大学を卒業して35年にベルリン天文台の助手となり,台長J.F.エンケのもとに口径23cmの望遠鏡で16年間観測に従事した。この間,38年には土星のC環を発見,また39年12月~40年3月の間に続けて3個のすい星を発見したが,何といっても最大の業績は46年9月23日の海王星の発見である。この発見は,フランスの天文学者U.J.J.ルベリエが新惑星の予想位置をガレに書き送って観測を依頼したことによるもので,しかも新惑星は予想位置からわずか1度離れて発見された。…

【天体力学】より

… 19世紀に入ると,天体力学の研究はC.F.ガウス,J.ヤコビ,U.J.J.ルベリエ,J.C.アダムズ,S.ニューカム,G.W.ヒル,H.J.ポアンカレなどの多くの学者によって行われてその全盛時代を迎えた。とくに天王星の運動の不整から純理論的に未知惑星(海王星)の予想位置を計算し,実際の発見にまで導いたことは,天体力学の勝利とうたわれた。ところが19世紀末に,ポアンカレは摂動論で使われる三角級数の収束を論じてその非一様収束性を指摘し,それを契機として天体力学の関数論的研究が興った。…

【天文学】より

…その後の観測によって天王星の運動がニュートン力学によって説明しえない不規則さを示したため,さらにその外側に未知の惑星が存在するという予想のもとに,フランスのU.J.ルベリエとイギリスのJ.C.アダムズが万有引力則に基づいて未知惑星の位置を推算した。ルベリエの推算値に従ってドイツの天文学者J.G.ガレが海王星を発見した。これはニュートン力学の勝利を意味するものであったが,しかし万有引力則はけっして十分なものでなく,とくに水星の近日点移動を説明するために,20世紀にはいってA.アインシュタインの〈相対性理論〉が登場することになった。…

※「海王星」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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