際際(読み)きわぎわ

精選版 日本国語大辞典 「際際」の意味・読み・例文・類語

きわ‐ぎわ きはぎは【際際】

[1] 〘名〙
身分階級区分差別。人それぞれの身のほど。ほどほど。
源氏(1001‐14頃)薄雲「母方からこそ御門の御子もきはきはにおはすめれ」
季節のくぎりに当たる時期。節季。盆、暮れなど商家決算期
浄瑠璃・心中刃は氷の朔日(1709)上「去年の春からきはぎはに、或いは百匁・八十匁、かけの算用不埒にて」
[2] 〘副〙 (「と」を伴って用いる) はっきりと。きっぱりと。きわやかに。
曾我物語(南北朝頃)四「かやうの事、きはきはと、かねてより御さだめ候へかし」

きわぎわ‐きはぎは‥【際際】

〘形シク〙 (「きわきわし」とも) きわだつさま。目立ってはっきりしている。動作などがてきぱきしている。きわやか。
※枕(10C終)一七八「物かしこげに、なだらかに修理して、門いたく固め、きはきはしきは、いとうたてこそおぼゆれ」
きわぎわし‐げ
〘形動〙
きわぎわし‐さ
〘名〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「際際」の意味・読み・例文・類語

きわ‐ぎわ〔きはぎは〕【際際】

人それぞれの分際
「人の―おぼしわきまへつつ」〈・若菜上〉
季節の終わり。特に、盆・暮れなどの、商家の決算期
「正月前の―に旦那だんな殿は外が内」〈浄・重井筒

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