隠る(読み)カクル

デジタル大辞泉 「隠る」の意味・読み・例文・類語

かく・る【隠る】

[動ラ四]上代語。下二段活用よりも古い》隠れる。
「山高み夕日―・りぬ浅茅原後見むためにしめ結はましを」〈・一三四二〉
[動ラ下二]かくれる」の文語形

なま・る【隠る】

[動ラ四]《「なばる」の音変化》隠れる。
難波小江をえいほ作り―・りて居る葦蟹あしがにを」〈・三八八六〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「隠る」の意味・読み・例文・類語

なば・る【隠】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 隠れる。なまる。なぶ。
    1. [初出の実例]「既に惶(おひ)え急ぎ走りて竹林に竄(ナハル)」(出典:石山寺本金剛般若経集験記平安初期点(850頃))

隠るの補助注記

「なばる」の連用形から転成したと思われる地名「なばり」「よなばり」や、「ば」と「ま」の子音交替で生じた「なまる」などの語形で「万葉集」中に見える。ただし、動詞「なばる」の仮名書き例は存在しない。


かく・る【隠】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 ( 下二段活用よりも古い形 ) =かくれる(隠)
    1. [初出の実例]「青山に 日が迦久良(カクラ)ば」(出典:古事記(712)上・歌謡)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙かくれる(隠)

なま・る【隠】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 かくれる。なばる。
    1. [初出の実例]「おし照るや 難波の小江に 廬作り 難麻理(ナマリ)て居る 葦蟹を」(出典:万葉集(8C後)一六・三八八六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

スキマバイト

働き手が自分の働きたい時間に合わせて短時間・単発の仕事に就くこと。「スポットワーク」とも呼ばれる。単発の仕事を請け負う働き方「ギグワーク」のうち、雇用契約を結んで働く形態を指す場合が多い。働き手と企...

スキマバイトの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android