隣地境界線(読み)りんちきょうかいせん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「隣地境界線」の意味・わかりやすい解説

隣地境界線
りんちきょうかいせん

民間同士の敷地と敷地の境界の線。建物を築造する場合、この境界線を基準にして、いろいろな制限を伴った権利義務の関係が決められている。その詳細は民法、建築基準法で規定されている。民法は、それぞれの建物の外壁外側の面を隣地境界線から離して建てなければならないとしており、その外壁間の間隔を1メートル以上と規定している。さらに、境界線より1メートル未満の距離に他人の宅地がみえるような窓や縁側を設けるときは目隠しをつけることが義務づけられている。しかし、このような規定とは異なる慣習があるときは、その慣習に従うことができるようになっている。建築基準法では、隣家日照採光などを守るために定められる斜線制限の範囲を確定する場合に用いる基準線の一つになっている。また、防火地域、準防火地域内では、耐火構造であれば外壁をこの境界線に接して設けることができると定められている。

[片方信也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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