雨緑林(読み)うりょくりん

日本大百科全書(ニッポニカ)「雨緑林」の解説

雨緑林
うりょくりん

冬に落葉する夏緑林に対して、乾期に落葉するタイプの林をいい、アジアの季節風帯に多いことからモンスーン林ともいう。熱帯多雨林とサバンナの中間に位置し、多雨林に比べると、より疎開していて樹高は10メートル前後と低い。年間降水量1000~2000ミリメートル以下、4か月から6か月の乾期をもつ地域に成立する。インド、ミャンマー(ビルマ)、タイなどにみられるアジアの雨緑林はサラソウジュ(サル)、チークなどが優占し、乾期には野火が多いほか、人為的に火入れされることもあるので、優占種は樹皮が厚く、耐火性がある。

[大澤雅彦]

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デジタル大辞泉「雨緑林」の解説

うりょく‐りん【雨緑林】

熱帯から亜熱帯の乾季・雨季がはっきり交代するモンスーン地帯で、雨季に葉をつける落葉広葉樹で構成される森林。チーク林・モンスーン林・サバンナ林など。季節風林。

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世界大百科事典内の雨緑林の言及

【落葉樹】より

…年間を通じて高温・多湿で,寒さや乾燥という季節の明らかでない熱帯多雨林においても落葉樹は存在し,いつでも一部の種や個体が落葉して裸になっているが,1本の木で落葉した枝と葉のついた枝をもっていたり,裸になっても半月ほどで新しく葉を展開してしまうなど,常緑樹との区別ははっきりしない。雨緑林・夏緑林のように,乾燥・低温という生育に不適な季節がはっきりと出現してはじめて落葉樹の存在が明りょうとなる。生育不適期には,葉から養分を回収しておいて落葉し休眠する方が,葉を展開したまま被害を受けたり,光合成ができずに呼吸が上回ってマイナスの物質生産になるよりも植物にとって有利なためであると考えられている。…

※「雨緑林」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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