電化製品の電磁波と健康障害(読み)でんかせいひんのでんじはとけんこうしょうがい

家庭医学館 の解説

でんかせいひんのでんじはとけんこうしょうがい【電化製品の電磁波と健康障害】

 1979年、アメリカのワルトハイマー博士が、『高圧送電線の近くに住む子どものがん発生率は、2倍高い』と発表しました。
 1992年には、スウェーデンのカロリンスカ研究所のフェイクティングとアールボムが、『高圧送電線近くの住民50万人への調査結果で、1ミリガウス以下の電磁波の地域に住む子どもと比較すると、2ミリガウス以上の地域に住む子どもは2.7倍、3ミリガウス以上の地域に住む子どもは3.8倍以上も白血病(はっけつびょう)の発生率が高い』と発表しました。
 それ以来、高圧送電線のみならず、パソコン、テレビ、電子レンジ、携帯電話などの電流から出る電磁波も、人体に悪影響をおよぼすのではないかと問題になっています。
 アメリカでは、電磁波によって、頭痛、めまいけいれん不眠、疲労感、うつ状態、記憶力の減退などの症状をおこすことが知られていて、電磁波過敏症(でんじはかびんしょう)と名づけられているそうです。
 そのほか、脳腫瘍(のうしゅよう)、白内障(はくないしょう)、不妊流産、異常出産と電磁波との関係もとりざたされています。
 しかし、確たる証拠はまだ見つかっていません。
 電磁波が人体に与える影響の研究は、やっと緒(しょ)についたばかりで、現時点では、まだ、なんともいえないのです。

出典 小学館家庭医学館について 情報