電子制御式4速AT

日本の自動車技術240選 「電子制御式4速AT」の解説

電子制御式4速AT

1977年に、トルクコンバータと3速補助変速機部の間にオーバードライブ機構を設けた世界初のオーバードライブ付4速AT(A43L)。そして1981年8月に、燃料とドライバビリティの工場を狙い、制御部にマイクロコンピュータを導入した世界初の本格的なマイコン制御式オーバードライブ付4速AT(A43DE)、ECT(Electronic Controlled Transmission)システムを世界に先駆けてクラウン2800ロイヤルサルーンに採用した。このシステムは、マイクロコンピュータにより各種条件を判断し、油圧コントロールにより、変速及びロックアップ作動をきめ細かく行うととももに、マイコン制御の利点を生かし3種類の変速パターン(Normal、Power、Eonomony)が選択でき、ロックアップ領域をユーザーが任意に選べるモードセレクトスイッチが設定されている。ECTの特徴としては次の3つが挙げられる。(1)ロックアップ付トルクコンバータや変速点をきめ細かく制御(2ndの低速からロックアップ作動など)することにより、大幅な燃費向上達成できる(従来の2ウェイオーバードライブ付4速ATに比べ約10%の燃費向上)。(2)ドライバー好みや、路面状態によって、最も走りやすい変速パターンを選択できる。(3)各種センサーからの信号に基づき、変速点・ロックアップクラッチの作動をきめ細かく制御することにより、変速特性とドライバビリティの工場を図る。クラウンに搭載されたECTは、大きな反響を呼び、その後、同様のシステムが大衆車まで拡大され、電子制御によるメリットを実証する運びとなった。保管場所アイシンエィダブリュ(株) 技術管理部(〒444-1192 愛知県安城市藤井町高根10番地)
製作(製造)年1981
製作者(社)アイシンエィダブリュ(株)
資料の種類量産品
現状展示( 静態 )
型式名E-MS112
会社名トヨタ自動車㈱、アイシンAW株
適用車種クラウンロイヤルサルーン
製作開始年1981
変速・作動方式電子制御遊星歯車式(シンプソン式遊星歯車(3速)+オーバードライブ機構)
伝達方式トルクコンバーター
変速数3要素1段2相形(ロックアップ機構付き)
変速比(前進)1速:2.452、2速:1.452、3速:1.000、4速:0.688
変速比(後進)2.212
効果燃料消費率:10モード 8.1km/L、60km定地走行 15km/L
エピソード・話題性マイコン制御による世界初のECT。その後、同様のシステムが大衆車まで拡大される。
特徴このシステムは、マイクロコンピュータにより各種条件を判断し、油圧コントロールにより変速及びロックアップ作動をきめ細かく行う。3種類の変速パターン(Normal、Power、Economy)が選択でき、ロックアップ領域をユーザーが任意に選べる。(1)2ndの低速からロックアップ作動など変速点をきめ細かく制御することにより、大幅な燃費の向上を達成(従来の2ウェイオーバードライブ付4速ATに比べ約10%の燃費向上)。(2)ドライバーの好みや、路面状態によって、最も走りやすい変速パターンを選択できる。(3)各種センサーからの信号に基づき、変速点・ロックアップクラッチの作動を木目細かく制御することにより、変速特性とドライバビリティを向上。
参考文献 
その他事項愛称:ETC;車種用途:乗用車;実物所在:アイシンAW㈱;エンジン:5M-GEU;制御:ソレノイドバルブにより、変速・ロックアップ作動を電子制御;トルク容量:25kg・m(245Nm);全長:806.5mm;駆動方式:FR方式;質量(含ATF):68.0kg;ATF量:6.3L;

出典 社団法人自動車技術会日本の自動車技術240選について 情報

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