電気ショック療法、電気けいれん療法ともいい、精神科疾患の治療として用いられる特殊な身体療法である。1938年イタリアのツェルレッティU. Cerletti(1877―1963)とビニーL. Bini(1908―64)により創始された。頭部、通常は両側の前側頭部(こめかみ)に直径2~3センチメートルの電極を当て、1~3秒間通電すると、てんかん大発作と同様のけいれんが誘発される。
当初は主として統合失調症(精神分裂病)の治療に用いられたが、のちに自殺念慮や焦燥感の強い重症うつ病に著しい効果を示すため有用とされた。この治療による治癒機転は十分解明されていないが、けいれんを引き起こす脳の過程になんらかの神経伝達物質の変化がおこるとされている。記銘力障害は必至であるが一過性で、通常1か月以内には回復する。注意して行えば安全な治療法といえる。高齢あるいは身体疾患を合併している場合には、けいれんを避けるため、麻酔医の管理のもとで筋弛緩(しかん)薬を併用して行う無けいれん電撃療法(無けいれん性電撃療法)がある。現在は、限られた必要時にだけ行われる。
[井上令一]
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