改訂新版 世界大百科事典 「電気絶縁紙」の意味・わかりやすい解説
電気絶縁紙 (でんきぜつえんし)
insulating paper
電線,コンデンサーなどの絶縁に用いられる紙。他の絶縁材料にくらべ,値段が安く,化学的に安定で寿命が長く,高温でも使用でき,しかも電気特性がよいという利点がある。日本では,通信ケーブル用紙は1914年,電力ケーブル用紙は15年から製造が始まった。初期には原料として麻繊維を用いたが,現在ではクラフトパルプになり,絶縁性を高めるため抄紙用水にはイオン交換水を使用している。低圧コンデンサーペーパーは厚さ0.007mmと非常に薄いが,一方電力ケーブル用紙には0.15mmの厚さのものもある。一般に,繊維形態がなくなるほど高度に叩解(こうかい)したパルプで作られるので,空孔のない緻密(ちみつ)な紙質をもつ。
執筆者:臼田 誠人
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報