叩解(読み)コウカイ

百科事典マイペディアの解説

叩解【こうかい】

製紙作業の一つ。パルプを機械的に処理し,の製造に適した性質を与えること。叩解により,パルプの繊維は短く切断されたり,縦に細く裂かれたり,押しつぶされて膠化(こうか)したりする作用を受ける。叩解の仕方,すなわち上記のどの作用が主になるかで,叩解後のパルプの性質が著しく変化するから,限られた種類のパルプから,多種多様の紙を製造することができる。
→関連項目トレーシングペーパー

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世界大百科事典 第2版の解説

こうかい【叩解 beating】

化学パルプで紙を作るときに欠かせない製紙工程の一つ。水で膨潤させたパルプを機械的に処理して製紙に適した性質をパルプ繊維に与える工程をいう。昔は文字どおり臼で繊維を叩(たた)き解きほぐしていたが,17世紀後半にオランダで叩解機(ビーターホランダー型)が発明され,これが近年まで使用された。このビーターbeaterは,鋼製の刃を埋め込んだ大きなローラーを回転させ,下に設置した固定刃との間で繊維に強い圧縮力と剪断(せんだん)力を与えて叩解する装置であるが,能率が低いため,現在日本では特殊な紙を作る場合を除いて,パルプの離解,叩解,精整などの処理を連続的におこなう高能率のリファイナーrefinerが用いられている。

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大辞林 第三版の解説

こうかい【叩解】

製紙の工程の一。パルプの繊維をたたいてほぐすこと。 「 -機」

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精選版 日本国語大辞典の解説

こうかい【叩解】

〘名〙 製紙の過程で、パルプの繊維に柔軟性を与え絡みやすくするために、繊維を切りほぐしたり押しつぶしたりする作業をいう。〔実用印刷技術(1957)〕

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世界大百科事典内の叩解の言及

【紙】より

…日本ではコウゾ,ミツマタなど靱皮繊維を使ったが,ヨーロッパでは麻くずが主体で,のちに綿ぼろ,わら,エスパルトなども使われた。これらの原料を粥(かゆ)状にときほぐす叩解(こうかい)beatingの操作は,製紙上たいせつな工程であるが,17世紀半ばにオランダでホランダーhollanderが発明され(発明者は不明で,国名にちなんで名付けられた),以後200年ばかり形式は変わっても同じ原理の叩解機(ビーターbeater)が使われた。現在ではパルプの離解,叩解,精製などを行うリファイナーrefinerが一般紙の製造に使われている。…

【紙】より

…日本ではコウゾ,ミツマタなど靱皮繊維を使ったが,ヨーロッパでは麻くずが主体で,のちに綿ぼろ,わら,エスパルトなども使われた。これらの原料を粥(かゆ)状にときほぐす叩解(こうかい)beatingの操作は,製紙上たいせつな工程であるが,17世紀半ばにオランダでホランダーhollanderが発明され(発明者は不明で,国名にちなんで名付けられた),以後200年ばかり形式は変わっても同じ原理の叩解機(ビーターbeater)が使われた。現在ではパルプの離解,叩解,精製などを行うリファイナーrefinerが一般紙の製造に使われている。…

※「叩解」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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