霊山院(読み)りようぜんいん

日本歴史地名大系 「霊山院」の解説

霊山院
りようぜんいん

[現在地名]都幾川村西平

都幾山(慈光山)山中、天台宗慈光寺西方の奥まった所に位置し、古くは同寺の塔頭であった。拈華山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊釈迦如来。霊山院紀綱寮誌(寺蔵)によれば、慈光寺に住した栄朝が後鳥羽上皇勅命を受け、建久八年(一一九七)に当院を開創したという。栄朝は慈光寺厳耀によって出家し、のち京都建仁けんにん寺で栄西に従学、台密葉上流の伝法灌頂を受ける一方、禅宗黄竜派の印可ももらっている。このために栄朝は禅宗と台密を兼修する立場をとり、当院をその道場とした。栄朝はその後上野国世良田長楽せらだちようらく(現群馬県尾島町)を開き、宝治元年(一二四七)に没している。栄朝の墓は法橋塔とよばれ、当院および長楽寺にある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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