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鉄仏 てつぶつ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鉄仏
てつぶつ

鉄造の仏像。鉄は銅より施工が困難で鋳肌が銅に劣るので古くは行われなかったが,材料が廉価なため鎌倉時代から室町時代にかけて東日本で多く造立された。建保6 (1218) 年の栃木,北犬飼薬師堂の『薬師如来像』が最古の在銘像。

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デジタル大辞泉の解説

てつ‐ぶつ【鉄仏】

鉄を材料として鋳造された仏像。日本では鎌倉・室町時代の遺品が多く、主に中部地方以東の本州にみられる。

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世界大百科事典 第2版の解説

てつぶつ【鉄仏】

鋳鉄製の仏像。中国では文献によれば563年(北斉の河清2)に鉄丈六仏が製作され,以後造像を伝える史料は多く,遺品としては唐代以後のものが知られる。宋代の遺品として山西省玄中寺にかつてあった建中靖国元年(1101)銘ほかの百数十軀の鉄仏がある。朝鮮では唐咸通6年(865)銘の江原道倒彼岸寺毘盧舎那仏像が在銘遺品の初例であり,9~12世紀を中心として30余軀がのこる。日本では建保6年(1218)銘の栃木県石川薬師堂薬師如来像が在銘像として最も古く,鎌倉~室町時代に多く製作され,東北,関東,および愛知県を中心に90余軀が現存する。

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大辞林 第三版の解説

てつぶつ【鉄仏】

鉄による鋳造の仏像。日本では鎌倉後期に盛んにつくられ、関東地方・愛知県に遺品が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鉄仏
てつぶつ

鉄製鋳造の仏像。中国ではすでに六朝(りくちょう)時代(6世紀)に鉄丈六仏(じょうろくぶつ)がつくられた記録があり、隋(ずい)・唐期以降も各時代にわたってつくられたが、宋(そう)代にもっとも盛行した。これは、中国の産銅量が輸出を含む需要に及ばなかったため、厳しい禁銅令が施行された結果とみられる。朝鮮でも新羅(しらぎ)時代の末から高麗(こうらい)時代にかけて流行したが、これも銅の産出が乏しかったことによる。
 日本では平安末ないし鎌倉初頭ごろから遺品がみられ、鎌倉・室町期に多く、全国で90体ほどが確認されるが、その90%までが中部地方以東の東日本に集中しており、日本で鉄仏が流行した理由は銅の不足や中国の影響というより、東国の武将たちの鉄に対する一種の信仰のようなものに発すると思われる。神奈川県覚園(かくおん)寺の不動明王坐像(ざぞう)(13世紀初)、栃木県鹿沼(かぬま)市上石川薬師堂の薬師如来(にょらい)坐像(1218)、愛知県法蔵寺の地蔵菩薩(ぼさつ)立像(1230)、同長光寺の地蔵菩薩立像(1235)などは各地の古い作例である。[佐藤昭夫]
『佐藤昭夫著『鉄仏』(1979・小学館)』

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世界大百科事典内の鉄仏の言及

【高麗美術】より


[彫刻]
 仏像に優れた作品が多く,鉄造,銅造,石造,塑造,木造乾漆造など多彩な素材を用いたが,鉄造,銅造,石造に優品がある。とくに,鉄仏は,新羅時代末期の造形感覚を保ちながら新しい様式を志向し,かつモニュメンタルな大きさを誇る作例が現存する。たとえば,韓国国立中央博物館蔵の旧景福宮所在の半丈六の鉄造釈迦如来座像と元京畿道広州郡東部面下司倉里所在の丈六鉄造釈迦如来座像には,新羅の古典美を意識した造形感覚が認められる。…

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