フランスの女流小説家コレットの中編小説。1923年発表。17歳になろうとしている少年フィリップは夏休みにブルターニュの海岸で美しい夫人に誘惑されて、性の目覚めを経験する。子供のころから彼と兄妹のように仲よくしている一つ年下のバンカは、嫉妬(しっと)によって、彼に対する愛を初めて意識し、彼に体を与えてしまう。フィリップは早く大人になりたかった自分の欲望の犠牲になったバンカをみて、妙に身にしみる悔恨を覚える。輝かしい自然の下のエロティシズムと官能の喜び、そのあとに続く魂の傷跡のうずきと哀愁は、まさにコレット文学の精髄である。
[新庄嘉章]
『『青い麦』(堀口大学訳・新潮文庫/新庄嘉章訳・講談社文庫)』
ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...