青葉権現(読み)あおばごんげん

日本歴史地名大系 「青葉権現」の解説

青葉権現
あおばごんげん

[現在地名]美山町大字福居 山森

山森やまもり北西約三・五キロ、丹波・若狭国境の頭巾ずきん(八七一メートル)頂上にある社で、雨神の青葉権現を祀る。

伝承によると、天長元年(八二四)旱天炎暑が続いたため、守敏僧都が勅命を受けて降雨祈願した。しかし降雨は都だけで洛外には及ばなかった。さらに弘法大師神泉苑で祈願したが効果がなかった。これは守敏僧都の呪力で諸竜が瓶中に封じられたためとして祈祷法を変えたところ大雨が降った。その時一竜が頭巾山に入ったといい、それを祀ったのが当社と伝える。なお弘法大師と守敏僧都の験競べの話は「太平記」巻一二(神泉苑事)に載る。また別説に旅僧が山森村に来て頭巾山に登ろうとしたが、その白衣がひどく汚れていたので村の女が川で洗って進めると、旅僧は喜んで登山したがついに帰村しなかった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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