家庭医学館 「非A非B肝炎」の解説
ひえーひびーがたかんえん【非A非B(型)肝炎】
非A非B肝炎というのは、D型肝炎ウイルスが発見される前に、A型でもB型でもない原因不明の肝炎という意味でつけられた病名です。とくに、B型肝炎が輸血後におこる肝炎の代表であった時代から、B型肝炎ウイルス陽性の血液(献血血液(けんけつけつえき))は輸血から除外されるようになり、輸血後肝炎(ゆけつごかんえん)はかなり減少しました。ところが、それでもおこる輸血後肝炎があり、その95%が非A非B肝炎だったのです。
その後、非A非B肝炎の大部分がC型肝炎ウイルスによることがわかり、献血血液に対しては、B型に加え、C型ウイルス抗体(こうたい)の検査も行なわれるようになったため、現在ではほとんど輸血後肝炎はおこらなくなっています。
D型肝炎ウイルスは日本ではほとんどみられないもので、あまり問題にはなりません。
E型肝炎はA型肝炎と同様、汚染された食物などで感染するもので、急性肝炎をおこして治ります。現在では、蔓延地(まんえんち)への旅行後の発症がまれにみられる程度です。
C型肝炎は、B型肝炎と同様、血液を介して感染します。急性肝炎もおこしますが、成人の場合、感染するとほとんどが慢性化してしまうため、現在もっとも問題となっています。
最近発見されたG型肝炎ウイルスは、劇症肝炎(げきしょうかんえん)、急性肝炎、慢性肝炎の原因になると考えられていますが、まだはっきりしたことがわかっていません。