鞏県遺跡(読み)きょうけんいせき(その他表記)Gong-xian

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鞏県遺跡」の意味・わかりやすい解説

鞏県遺跡
きょうけんいせき
Gong-xian

中国河南省鞏県の南西 29kmの鉄生溝村にある漢代の製鉄遺跡。 1958,59年の2回にわたり河南省文化局文物工作隊によって,約 2km2の発掘調査が行われた。その結果,各種の冶煉炉,熔炉,鉱石加工場,建物,鋳造坑,冷却池,配料坑,貯蔵坑などの遺構と,鉄錘,鉄錐,鉄犂,鋤先,鉄鏃,土製羽口,耐火 塼,各種製鉄用具,鉱滓,焼土などの遺物が出土した。煉炉には,海綿鉄炉,長方形煉炉,円形煉炉,排炉,反射炉,低温炒鋼炉があった。海綿鉄炉は原始的で構造も簡単な固体還元炉で,また,反射炉は熱反射を利用して銑鉄,海綿鉄より錬鉄を精錬する炉であった。燃料としてはすでに石炭が用いられ,石灰石,石英石などの熔剤の利用も認められ,出土した鉄製工具,農具などの製品の多くは,双合笵鋳造でつくられていた。

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