紙媒体に印刷された文字情報をデジタル情報に変換するためのコード情報。おもに視覚障害者に文字情報を音声として読み上げ、伝達するための技術である。パソコンの専用ソフトウェアを使って、印刷された文字情報をデジタルのコード情報に変換する。コード情報はバーコードと同じ仕組みで画像データに置き換えられる。これを印刷したものを専用の活字文書読み上げ装置や読み取り機能のある携帯電話で読み取ると、音声に変換される仕組みである。視覚障害者には紙の端に切り欠きを入れて音声コードが添付された印刷物であることを知らせる。18ミリメートル四方の画像データに漢字仮名交じりの約800文字以内の文章を収められるタイプと、20ミリメートル四方で1000文字以内の文章を収録できるタイプがある。音声コードには日本福祉サービスと廣済堂(こうさいどう)のものがあり、廣済堂は登録商標のSPコードという名称を用いている。どちらの音声コードもすべての活字文書読み上げ装置に対応している。
活字文書読み上げ装置は、2003年度(平成15)から障害者自立支援法の障害者(児)日常生活用具の給付種目となったため、給付対象者は1割程度の負担で入手できる。通常の印刷物に記載した文字情報を音声コードとして付加しておけば、視覚障害者が音声として情報を入手できるため、自治体の広報誌、ねんきん定期便をはじめ、薬の説明書、各種料金明細書などへの利用が広がっている。
[編集部]