音曲初心伝(読み)おんぎょくしょしんでん

改訂新版 世界大百科事典 「音曲初心伝」の意味・わかりやすい解説

音曲初心伝 (おんぎょくしょしんでん)

義太夫節づくし。竹本民太夫撰。1749年(寛延2)刊。1巻。山本九兵衛板と,正本屋吉兵衛板とがあり,小序の用字相違がみられる。2世竹本政太夫が編んだ《音曲フシ覚》と相前後してつくられた節づくしで,初心者が曲節の種類を覚えるためにつくられた。曲節を説明する本文に節付けをほどこし,文字譜とゴマ点で示している。煙舟舎の序文,民太夫の小序があり,節付の記号を説明した章附事,華福の跋を付す。こうした節づくしは,義太夫の流布に寄与した。山本九兵衛板は《日本庶民文化史料集成》第7巻人形浄瑠璃に,正本屋吉兵衛板は細川景正《示唆に探った近松の諸浄瑠璃》に翻刻
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