顔付(読み)かおつき

精選版 日本国語大辞典 「顔付」の意味・読み・例文・類語

かお‐つきかほ‥【顔付】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 顔の様子。生まれつきの顔の形にも、その時々の気持の現われた表情顔色などにもいう。
    1. [初出の実例]「よしよししく、かはらかなるかほつきして」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)
    2. 「いたうゑひしれてをるかほつき」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)
  3. 外に現われている、物の有様
    1. [初出の実例]「いたどりは、〈略〉杖なくともありぬべきかほつきを」(出典:枕草子(10C終)一五四)

かお‐づけかほ‥【顔付】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 演劇で、出演すべき役者名前を書くこと。また、書いたもの。
    1. [初出の実例]「役者の顔付(カホヅ)けを善右衛門に渡す」(出典歌舞伎・伊勢平氏梅英幣(1820)大切)
  3. 寄席などで、出番の順を決めること。また、出演順を書いたもの。
    1. [初出の実例]「丸一小仙の役人、海老蔵の墨染、小亀の角兵衛獅子と云ふ贅沢な顔づけが」(出典:寄席風俗‐歳晩日記抄(1942)〈正岡容〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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